※シリアスな赤黒です
※中学生時代設定です
キーンコーンカーンコーン…
放課後のチャイムの鳴る中、一人席に座り読書をしている少年、黒子テツヤは、今日も平凡な生活を送っていた。
今日は金曜日で、明日は学校がなく部活も休みだ。今日も顧問の先生が出張の為、部活はない。
チャイムがなってから、ある少年ー…赤司 征十郎が近づいてきた。
「少し話がある。今から来てくれないか。」
そう彼は言い残し、廊下に出て階段を上って行った。どうやら屋上に向かったようだ。
黒子テツヤは読書をやめ、屋上に向かって行った。
彼ら、黒子 テツヤと赤司 征十郎は一年ほど前から付き合っている。付き合った理由は、まあ色々あるのだがー…。
付き合った頃を思い出しているといつの間にか屋上についていた。
赤司君からの呼び出しだ、少し不安になってしまう。
「赤司君、すいません。お待たせしました。」
僕は少し頭を下げてそう言ってから、この話へと切り換えた。
「で、お話しとは一体…?」
すると赤司君は、悲しそうな、僕が今まで見たことのない顔をして
「すまない黒子、別れよう。」
と告げて来た。
僕は驚いた。悲しさがこみ上げてきた。
思わず衝動的に彼の肩を掴み質問をした。
「何故ですか!?どうしてなんですか…!」
すると赤司君は…
「今の俺だと、お前を愛せない。」
彼は僕の手をはらい、屋上から姿を消した。
ーぽつり…
雨が降ってきた。夕立ちだろうか。
黒子は急いで教室へと戻った。
教室へ戻ると赤司君の姿は無かった。
帰ってしまったのだろうか。
僕も帰るにしても、傘を忘れてしまった為すぐには帰れない。
夕立ちだし、すぐ止むだろうと思い、黒子は図書室で本を読むことにした。
…本を読み続けて1時間経った。
本を読もうとしても赤司君との件で、本を集中して読むことができなかった。
赤司君はどうして愛せないなどと言ったのだろうか。
胸のあたりがズキズキする。
外ではまだ雨が降り続いている。
時計を見るともう6時へと針が回っていた。
仕方なく、黒子は家へ帰ることにした。
学校から外に出ると、思ったよりも暗くなっていた。
雨は、さっきよりも激しく降っている。
家へ走って向かって行っても、やはり思い出したくない事を思い出してしまう。
「すまない黒子、別れよう。」
「今の俺だと、お前を愛せない。」
あの悲しそうな顔はなんだったのか…。
胸が痛む。
自分の頬から流れているのは雨なのか、涙なのか分からなくなっている…。
その事を考えれば考えるほど雨、
夜雨が強くなってきている気がしてしまう。
実際そうなのかもしれない。
空にはどんよりとした雲があり、そこからは雨が降ってきている。
まるで今の自分の状況のようだ。
雨がふっている、目から。
雲がかかっている、心に。
ああ…
冷たい。
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